"完集"の難易度は? (3)

 今回が完集の難易度シリーズ、最終回です。今回は豆板銀です。

完集難易度をアルファベットで表します。

Aランク : 完集はまず不可能と思われる。

B1ランク : 金銭的に庶民には非常に難しいと思われる。 B2ランク : 希少性ために非常に難しいと思われる。

Cランク : 完集は可能だが、かなりの年月を必要とする。

Dランク : そこそこの努力で完集は可能である。

 ⑧両面大黒豆板銀・・・Dランク

 私は豆板銀が大好きです。残念なことですが、最近はあまり人気が無く、収集家も減少しているように感じます。豆板銀中でも、やっぱり特別感があるのは両面大黒豆板銀です。皆様の中でも、両面大黒豆板銀の完集を目指したことがある方も多いのではないでしょうか。両面大黒豆板銀は、元禄・二ツ宝・三ツ宝・正徳享保・元文・文政・天保・安政の8種類が存在します。慶長・永字・四ツ宝には存在しないのは皆様もご存知の通りです。この中で一番の難獲品は三ツ宝の両面大黒ですが、大きさや状態にこだわらなければ、20万円くらいあれば購入できます。二ツ宝なら、8万円くらいでも探せそうです。もちろん、そこそこの価格ですが、庶民でもなんとかなる金額ですですから完集は容易でしょう。

 ⑨両面大黒豆板銀(面背大黒像100%入り)・・・B2ランク

 少し古金銀をやっていれば、両面大黒豆板銀8種類自体の完集は容易だと直ぐにわかります。それではおもしろくないので、人はそれぞれ自分なりの条件を付加します。ある人は量目が10g以上、またある人は大黒像の顔立ち(目鼻)がわかるもの、といった具合です。

 私が自分に課した条件は、『面背とも大黒像が100%(99.9%でも不可)入っているもの』でした。大黒像が100%入っていれば、量目は不問、としました。大黒像の極印の大きさはさまざまですから、あまり大きくないものでも大黒像が100%入っているものがあります。状態は良いにこしたことはありませんが、大黒像が100%入っていればとりあえず押さえておく、という姿勢でした。この条件を付加するだけで、難易度が急に上昇し苦戦が続きます。その中でも、天保と元文が一番簡単で、次に文政でしょうか。享保と元禄は小さいものが多いので、結構苦労します。二ツ宝はもともとが小粒で、数の少ない希少品ですが、意外と大黒像100%入りが見つかります。

 大黒像100%入り両面大黒豆板銀で、最も入手が難しいのは三ツ宝と安政の2種類です。中でも、安政の両面大黒像100%は滅多にない珍品で、私は実物を一度も見たことがありません。両面大黒の中では、本来安政が一番ありふれたものですが、大黒像の打刻が雑で、まともに打たれたものがほとんどありません。片面でさえ100%大黒が入っているものは少ないです。私の師匠は、「もしかすると、大黒を100%入れないことが安政両面豆板銀における銀座のシークレットなのではないか、と疑ったほどだ」と仰っていました。不思議なことに、かなり量目の多い両面大黒でも、安政はほぼ大黒が欠けているのです。大黒像100%の安政両面大黒豆板銀、私の師匠がお持ちですから存在はしますが、私は未だに入手出来ていません。