前回に引き続き、完集の難易度を考えてみたいと思います。
完集難易度をアルファベットで表します。
Aランク : 完集はまず不可能と思われる。
B1ランク : 金銭的に庶民には非常に難しいと思われる。 B2ランク : 希少性ために非常に難しいと思われる。
Cランク : 完集は可能だが、かなりの年月を必要とする。
Dランク : そこそこの努力で完集は可能である。
⑤嘉永一朱銀の完集・・・Aランク
嘉永一朱銀は面がA型~I型までの9種類、背がa型~e型までの5種類となっています。全ての組み合わせが存在すれば9×5=45種類なのですが、現実には存在しない組み合わせがあり、現在カタログ上では33種類ということになっています。その33種類の完集でも大変です。Feは大珍品であり、Dcも滅多にない難獲品です。それだけではありません。現実にはまだカタログに掲載されていないGcやEbが存在しており、ここで型は口外できませんが、それ以外のカタログに掲載されていない型(私も拝見しました。本物です)を持っている方がおられます。これらが存在している以上、これらも集めての完集ですから事実上不可能だと思います。普通の嘉永一朱銀は美品なら1枚1000円もしないのですが・・・。
⑥安政一朱銀の完集・・・Aランク
安政一朱銀は面がJ型~R型までの9種類、背がj型~p型までの7種類となっています。カタログによると、全ての組み合わせが存在するらしいので、9×7=63種類を集めれば完集です。しかし、皆様も御存知のように、MpとPpが本当に存在するのか非常に疑わしい状況なので、この2種類を含めた完集はAランクということになるのではないでしょうか。
この2種類を除けば(又は存在しないと確定すれば)、完集は比較的容易でDランク、未使用品での完集でもCランクだと思います。
⑦明治一朱銀の完集・・・Dランク
明治一朱銀は面がS型~Y型までの7種類、背がs型~x型までの6種類となっています。全ての組み合わせが存在すれば7×6=42種類なのですが、カタログによると Su・Sv・Sw・Tu・Tv・Tw の6種類が存在しないので、残りの36種類を集めれば完集となります。明治一朱銀最高の珍品はWsで、第2位はVs です。とは言っても、嘉永一朱銀や安政一朱銀の珍品とは比べるまでも無く、真剣に探せば比較的容易に見つかります。ですから、明治一朱銀の美品での完集はDランク、明治一朱銀は綺麗なものが多いので、未使用品でもCランクでしょう。
ただ実際に集めてみると、『一朱銀収集の手引き』(八木明男編)の位付けより見つけにくい型が存在します。それが表S(ス山短柱銀)型です。『一朱銀収集の手引き』によると、Ssは3位、StとSxは2位ですが、私の実感ではSsとSxは2位、Stは1.5位くらいの希少度に感じます。一般に表Wが希少とされていますが、表Wの完未は結構存在します。表Sは特に状態の良いものが少ないように思います。皆さんも明治一朱銀がヤフオクなどに出ていたら、表の型を確認してください。Sが意外と少ないことに気が付かれるはずです。(続く)
コメントをお書きください