2024年もあと1週間ほどとなりました。本当に月日の経つのが速くなり、1年など"あっ"という間に過ぎ去っていく感じです。今年も皆様には大変お世話になり、心より感謝申し上げます。ほんの少しずつですが、サイトを見て下さる方も増えてきています。本当にありがたいことですが、状態の良い古金銀の入手が以前にも増して困難になってきており、なかなか大変です。
さて、今年1年を振り返って、私にとって一番痛かったのが"PCGSの鑑定料金の値上げ"でした。かなり前から円安ドル高が続いていたので、諸物価高騰の折、値上げは仕方のないことだとは思いますが、私のような零細古銭商にとってはなかなかのパンチでした。今年7月分の受付から、3850円から5500円に値上がりしました。これは私がよくお願いする一分銀や一朱銀、二朱銀といった廉価な古銭の鑑定料金ですが、元々の古銭の価格が安いからこそ、この値上げ幅がこたえました。
例えば、かなり綺麗な嘉永一朱銀を2000円で仕入れたとします。以前は鑑定料金が1枚あたり約4000円(郵送費などを加算)でしたから、この嘉永一朱銀の原価は約6000円です。MS64が取れると、相場が約7500円くらいですから、何とか利益が出ました。MS65が取れると、相場は約13000円くらいですからそこそこ儲かりましたが、MS65など滅多に取れません。MS63だと原価割れも度々ありました。ところが、現在は2000円+約5700円(郵送費などを加算)=約7700円が原価です。MS64でも赤字で、MS65を取らないと商売にならない状況です。御存知の方も多いかもしれませんが、PCGSの鑑定は以前よりもかなり厳しくなっており、一朱銀でMS65を取ることは極めて難しく、MS66など私もとったことはありません。スラブコインの相場が全体的に上がってくれないと、このような廉価な古銭をスラブに入れること自体、困難な時代になるかもしれません。
円安により、日本の古銭の割安感が強くなっています。外国の方(特に中国や台湾、韓国?)でも、近代銭だけでなく、日本の古金銀を狙う方が増えていると感じます。その傾向がヤフオクにもはっきり出ています。海外から直接ヤフオクに入札することはかなり難しいみたいなので、海外の皆さんは入札代行業者に入札を依頼しているようです。少し前ですが、有名古銭商のGコインさんが"文政南鐐二朱銀 PCGS MS64"を出品されました。いくら鑑定が厳しくなったと言っても、MS64は普通にあるグレードです。この落札価格が約80000円でした。私から見れば、驚くべき価格です。落札者は有名な代行業者で、おそらく海外の方が落札されたのだと思います。円安の現在、海外の方からすれば、代行業者への手数料を払ってもまだ割安感?があるのかもしれません。このようなことが他にも多々ありました。これらのコインは代行業者の手で、海外へ流出して行くのかと思うと残念です。それが今の日本の国力なので仕方のないところでしょうが、"Japan As Number One"という本が流行った時代の日本人としてはすこし寂しさを感じた1年でした。
来年は本年以上に、美しい古金銀を、できるだけ安くお届けできるように全力を尽くす所存です。ごく小さなサイトですが、皆様の収集のお手伝いが出来ればと思います。来年もどうぞ宜しくお願い致します。
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一分銀の山本 (日曜日, 22 12月 2024 20:52)
こんにちは、一分銀の山本と申します。
今年の私の一番のトピックは、この明日香古銭様のサイトに出会ったことです。
良い状態の品だけを求めやすい価格で提供していただけるのは、本当に感謝しかありません。これからもお世話になろうと思いますのでよろしくお願いします。
明日香津五(店主) (日曜日, 22 12月 2024 21:39)
一分銀の山本様、コメントありがとうございました。私にとって、最も嬉しいコメントを頂きました。こちらこそ、何卒宜しくお願い申し上げます。寒い日が続きます。お風邪など引かれませんように。来年も宜しくお願い致します。