第22回東京コインショーへ行ってきました

 11月8日~10日まで東京の大手町にあるサンケイプラザ3Fで開催された第22回東京コインショーへ行ってきました。こういう催事に足を運ぶのも久しぶりです。たまたま東京の友人と再会する予定があったので、ついでに寄った、という感じです。初日、非常に盛況でしたが、その内容は私からすると『旧態依然』という四文字熟語がぴったりの内容でした。

 残念ながら、結果は予想通り、私が欲しいコインは何もなかった、です。出店されていた37社を3時間ほどかけてほぼ全てをまわりましたが、「おっ、これは是非欲しいな」と思うコインは皆無でした。形の良い享保丁銀が1枚ありましたが、価格が少し高くあきらめました。あまりにも寂しいので、ある古銭商から文政南鐐一朱銀を1枚だけ購入しました。誤解がないように言っておくと、『私が欲しいコイン』がなかっただけで、各ブースの上段には大判や小判、高級丁銀、近代金貨や高級スラブ入り銀貨などが綺羅星のごとく並んでいました。1000万円以上もする大黒括袴丁銀もありました。どの店も出品目録に載せているのは、大判、小判、近代金貨、近代高級銀貨ばかりです。もちろん、経営を維持するためには高級品を売らないことには商売にならない、単価の安いコインには構っていられない、ということは十分承知しています。それにしても、単価の安い銀の角物(一分銀・一朱銀・二朱銀など)は「一体何年前から売れずに残っているんだ」というホルダーに入れられ、「何年前から同じなんだ」という値付けがなされたものが大半でした。これらのコインは、ほとんど無視された状態で各業者に保管されている感じですが、この辺にもう少し力を入れて品揃えを良くすれば、もっと客層を広げられる気がするのですがいかがでしょうか?

 "美しい銀の角物がない"のは残念なことです。まあ、苦労して未使用の一分銀を手に入れても、販売価格がたかがしれているので"pay"しない、ということでしょう。オークションなどでは、未使用クラスの古金銀が高値を呼んでいますが、美しい古金銀を持っている、又は探している業者はあまりないようです。あるのはせいぜい美品クラスの一分銀で、値付けは5000円。誰が買いますか?現在の相場は2000円です。美品の文政南鐐二朱銀、値付けは20000円。誰が買いますか?現在、ヤフオクで相場は6000円です。並品クラスの入分一分銀、値付けは25000円。誰が買いますか?並品なら、せいぜい10000円です。佳品クラスの玉一一分銀、値付けは55000円。誰が買いますか?現在の相場だと25000円です。美品クラスの明治一分銀跳分跳銀、値付けは100000円。誰が買いますか?確かに昔は高かったんですが、現在の相場だとせいぜい40000円です。美品クラスの明治一分銀Hh川常交叉、値付けは60000円。誰が買いますか?今の相場はせいぜい20000円です。PCGS MS64 の明治一分銀Hh川常交叉で35000円くらいです。

 もちろん、現在の相場を加味した値付けをされている業者もおられましたが、大半の業者の値付けは"高すぎ"ました。まさしく、現在の相場や空気を無視した値付けでした。もちろん、珍品・稀品を収集されている経済力のある方向けの品揃えも大切ですが、経済力はあまり無いけれどコレクションの質を高めたいという層にアピールする品揃えを目指し、収集家の裾野を広げる努力が必要なのではないか、と思いました。

 

コメントをお書きください

コメント: 3
  • #1

    一分銀の山本 (金曜日, 15 11月 2024 23:39)

    私も初日に行ってきました。明日香古銭様の扱う品物に慣れてしまったせいか、一分銀、一朱銀、二朱銀は状態があまり良くなくても結構な価格と感じました。「一分銀を見せてください」とお願いしても無視する出店者さえいて、悲しいおもいで帰ってきました。

  • #2

    Ryu (土曜日, 16 11月 2024 08:45)

    本当にそうだと思います。

  • #3

    明日香(店主) (土曜日, 16 11月 2024 08:58)

    一分銀の山本様、Ryu様、コメントありがとうございました。これからも宜しくお願い致します。