ヤフオク

 古銭の売買に今や「ヤフオク」は欠かせない、それなりの存在になっています。もちろん、「あんな怪しげなところは利用しない」という方もおられるとは思いますが、私はちょくちょく利用します。特に出品で利用させて頂いております。『明日香古銭』として出品しておりますので、御存知の方もおられるかと思います。このブログを読んで頂いている方はこの通販サイトを御存知なわけですが、全国のほとんどの方が御存知ないわけです。そういう理由で、時々出品させて頂いております。たまには買うこともあります。ひどいものが大半ですが、確かなものや掘り出し物もそこそこあります。出品者の写真が上手く、「あー、失敗した」という物も数多くありますが、「大変な儲けもの」という物もたまにはあるのでやめられない(笑)わけです。

 私は古金銀が専門で、その他のコインは滅多に買いませんが、東京オリンピック1000円銀貨は大好きで、以前はよくヤフオクで落札していました。ここでは、ピカピカに磨かれ、洗浄された1000円銀貨が結構な高値でよく落札されています。初心者が多い感じで、コインのよくわからない方が記念に買い求められている、という雰囲気です。出品者は"完全未使用品"や"傷の状態AAA(トリプルA?正直意味不明)"などと表示されていますが、コインとしての価値はほぼありません。例えば、このピカピカの1000円銀貨が2800円(入札数18)で落札、そのすぐ横で、未洗いでトーンのついた(悪く言えば汚い)未使用の1000円銀貨が1600円(入札数3)で落札。こんな光景はヤフオクではよく見られる場面です。まあ、私にとってはありがたい光景です。

 商品を買う人からすれば、信用できそうな人から買いたいという気持ちは分かります。でも一番大切なのは『出品されているコイン』なんです。どんな人が出品されていても、コインが悪ければ駄目で、素晴らしければ良いんです。当たり前のことです。でも、中には人気のある(?)出品者もおられ、その方が出品したコインは正直商品があまり良くなくても結構な高値で落札されます。例えば、普通の天保一分銀・美品であれば、現在ヤフオクでの落札相場は2000円前後ですが、ある方がほぼ同じ程度の天保一分銀を出品されると3500円とかで落札される。商品の説明は丁寧にされていますが、その説明自体はありきたりの説明で、あまり価値のないものです。それでも丁寧さが功を奏して高値で落札。入札者からすれば、きちんと商品を送ってくれるのか、という心配がありますから良く知っている人から買いたいという気持ちもわかります。でも、やっぱりコインのレベルをしっかり見極められるスキルを身に着ける必要があるのではないかと思います。

 ほぼ偽物ばかりを出品されている方もおられます。ひと目で偽物とわかるレベルの物が大半です。落札されている方もほぼ偽物とわかって落札されているので、きちんと商品が送られてくれば評価は『非常に良い』をつけられるので、偽物販売者も結構評価は高いわけです。ところが、たまに「偽物でした。ひどい出品者です」と激怒される落札者もおられるようです。もちろん偽物出品者も悪質ですが、例えば、改造兌換銀行券10円を5000円で落札して「偽物でした」と激怒する落札者の方が数倍悪質ではないか、とも思います。世の中、そんなに甘くないような気がします。