本日現在、PCGSの天保一分銀の鑑定枚数は1060枚、安政一分銀は2581枚です。私も以前から天保一分銀と安政一分銀を合わせて200枚以上送ってきました。その中で最近思うことを書いてみます。
まずは天保一分銀です。天保一分銀の最高鑑定はMS66+が1枚ですが、MS66は78枚です。その内9枚は私が取得したもので、全て2013~14年頃のものです。その頃すでにMS66は76~77枚くらいはあったので、ここ10年ほどでMS66の鑑定を取得したものは1~2枚ということになります。天保一分銀の総鑑定枚数は倍増していますから、わかりやすく言えば、ここ数年鑑定基準が明らかに"辛く"なっているわけです。
私も「これは間違いなくMS66だ」と確信して送ったものが、ことごとくMS65(1枚だけMS65+)で戻ってきます。以前ならMS65は取れたものが、MS64、下手をするとMS63で戻ってきます。最近、まあMS65だろう、最悪でも64、と送った天保一分銀Srが何とMS63で戻ってきた時には驚きました。もちろん"Cleaned"や"Environmental Damage"になったことはありますが、MS63など一度も取ったことはありませんでした。
一体、いつ、どう鑑定基準が変わったのか、全く不明です。もちろん、人間がすることですから常に若干の幅があるのは当然ですが、最近の"鑑定の辛さ"は明らかに"鑑定基準の変更"だと感じます。だとすれば、PCGSはそのことをはっきりと明示する義務があるように思いますが、いかがでしょうか。そして、スラブの意匠を変更して、このスラブは鑑定基準が厳しいスラブだよ、と買い手がわかるようにする必要があると思います。
次は安政一分銀です。安政一分銀も最高鑑定はMS66ですが、わずか5枚です。Population Repot にもMS66の画像がなく、売り物も見たことがないので、安政一分銀のMS66の基準がわかりません。今まで、銀座包み出しの完封品を何枚送ってもMS65か64で戻ってきます。私なりに完璧なものを送ってもいつもMS65です。PCGSはMS66の画像を掲載し、これがMS66なんだよ、とその基準を明示する義務があるように思います。もちろん、画像が掲載されたからと言ってその基準が明文化されるわけではありませんが、一つの材料になることは確かですから。その数字で価格が上下する昨今、PCGSにはそれだけの責任があります。"結局数字は運だよね"ではダメなように思います。
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