古金銀も未使用の時代

 先月の7月30日(土)に2023CCFオークションが開催されました。その落札結果を見ると、古金銀にも未使用の時代が来たことがはっきりと認識されました。

 私が古銭界にかかわりだした40年ほど前、日本の古銭収集は近代銭なら年号集め、古金銀なら種類集め、が中心でした。近代銭では特年が高価で、並年は状態が良くてもあまり見向きもされませんでした。しかし、スラブ収集が始まった20年ほど前から、近代銭はスラブの数字が価格に大きな影響を与えるようになり、たとえ特年でも状態の悪いコインは相手にされなくなっています。

 その傾向が古金銀にもはっきりと表れてきました。もともと古金銀は、近代銭ほど"状態による価格差"がなかったのですが、2023CCFオークションでは"状態による価格差"がはっきりと示されました。例えば、4134の天保一分銀Trと4124の天保一分銀Tsです。カタログ表記はどちらも"包み出し・未使用・下値3000円"で全く同じですが、落札価格は4134が16000円、4135が6000円です。状態は明らかに4134の方が上ですが、以前ならここまでの差はつきませんでした。さらに、4128の天保一分銀Sl跳分は"包み出し・未使用品"でも11000円で落札されました。美品なら、Slは5000円くらい、Trは2000円くらいが相場ですが、このSlより、より美しいTrがはるかに高く評価されたわけです。

 とにかく、美しいもの、状態の良いもの、が高く評価され、役物(近代銭なら特年)と言えども状態が劣るものは相手にもされない時代がそこまで来ているような気がします。是非当サイトで美しい古金銀を御購入下さい。