PCGSの古金銀の鑑定力 その2

　今から4年ほど前、ほぼ同じ時期にPCGSへ送った2枚の天保一分銀です。1枚は跳分のSl、もう1枚は切れ分・長柱座のQmです。数字はどうだったと思いますか?画像をupしますので、皆さんも鑑定してください。画像だけではわかりにくいかもしれませんが、じっくり御覧ください。

　上の画像は跳分のSlです。滅多に手に入らない"銀座の包み出し"で、完全未使用品。私も初めて見た最高の状態です。まさに昨日銀座で製作されたかのような状態でした。私は間違いなくMS66だと思って送りました。

　下の画像は切れ分・長柱座のQmです。Qmにしては素晴らしい状態でしたが、若干の摩耗が見られ、正直、せいぜい準未使用品。私はMS64、下手をするとMS63＋もあり得ると思っていました。

　古金銀を長年収集し、専門としてきた私から見れば、この2枚のコインのランク差は最低2ランク、下手をすると3ランク違います。同じランクでも若干の差はありますが、2ランク違うと一目見てかなりの差があり、3ランク違うと次元の違うコイン、という感覚です。

なんと結果はどちらもMS65でした。彼らの評価が"傷"に重きを置いているのに対して、彼らがあまり評価しないが"うぶ感"と"艶と光沢"だとわかります。もちろん数字も一つの情報であり評価ですが、しっかり自分の目で見て判断することが肝要です。